特集「私と奈良」

同窓会  理化・昭和六十年卒 竹内 敦子


                                       JR奈良駅 ウィキペディアより 

 平成二十七年八月二十三日に、昭和六十年卒業三十周年記念同窓会が行われました。

  同窓会に先立ち、午前には第一回奈良女子大学ホームカミングデーが行われました。ホームカミングデーとは、卒業生が学部や学科や年代の枠を超えて母校に集い親睦を図り連携を深めることを目的として、学校行事の一つとして今年から開催される催しです。

 

 私は、同期でもある辛島美登里さんのトークショー(+ミニコンサート)に参加させて頂きました。辛島さんがポプコンで優勝した曲「雨の日」は、クラブの練習に行く途中に同じクラブの友達と一緒に歌っていたのを思い出し、とても懐かしい思いで聴いていました。友達も同じ思いでいたようで、後日、その話で盛り上がりました。

 

 トークショーが終わると、急いで国鉄奈良駅近くのホテル日航奈良に移動しました。今年は、恩師の先生方を含めて二百五十七名の方が参加され盛大に行われました。小規模な大学のせいか学部や学科が違っても、なんとなく知っている顔が沢山あり、三十年の隔たりを感じることもなく、「変わらないねぇ~」と言い合いながら、楽しい時を過ごしました。

 

 卒業して以来、あまり奈良に来ることはなかったのですが、国鉄奈良駅周辺も随分変わっていました。駅前にはロータリーが整備されていて驚きました。当たり前ですよね、三十年も経っているんですから。

 

 国鉄駅周辺の変貌ぶりにびっくりしている私に、奈良に住んでいる友達が「奈良町に行ってみたら?」と勧めてくれたので、奈良町に寄ってみました。ここもまた、お洒落なお店が沢山あり、私達が学生の頃こんなお店があったら、どんなにか楽しかったことかと感じつつ、街を散策しました。

 

 お友達と別れた後、帰りの電車まで時間があったので、一人で二月堂へ行ってみました。二月堂は、学生時代テニスクラブで走ったランニングコースです。二月堂の最後の階段は、今回は駆け上がる事は出来ず、息も絶え絶えになりながらもなんとか登ることができました。

 

二月堂から見た、奈良の景色は三十年前のそれと少しも変わる事もなく私を迎えてくれました。三十年前の事が昨日の事のように思い出されます。

 

 私達が学生時代過ごした奈良は、本当に不思議な場所です。どんどん変わって行く所と何年経っても少しも変わらない所とが混在しています。こんな素晴らしい場所で青春時代を過ごせたことを改めて幸せに感じました。